合宿免許の誕生の瞬間と全国に広まったきっかけ

今では車の運転免許を取得する方法の中で、自宅から最寄の教習所へ通うといった通常の手段よりも人気のある合宿免許。この合宿免許という手段を考案したのは、タクシー会社の運転手を養成するある一人の指導員の方です。

 

この指導員の方が合宿免許を思いつきたきっかけは、親戚で公認教習所で働いている方から受けた、「都心にある教習所とは違い、地方の教習所の入所者数が年々減ってきている。何とか免許取得希望者を集客する方法はないか」という相談です。

 

通常、公認教習所に通った方は、住民票がどこにあっても、卒業証明書さえあれば、現在住んでいる最寄の運転免許試験場で学科試験を受け合格後、運転免許を交付してもらうことができます。この指導員の方は、一見当たり前に見えるこのメリットを利用して、東京都内でマイクロバスをチャーターし、山梨にある公認教習所へ免許取得希望者の方々を連れて行きました。

 

そして当時は誰も思いつかなかったこの合宿免許という画期的なアイデアは口コミであっという間に全国で評判となり、地方にある公認教習所へとどんどんと広がっていきました。その中には、このアイデアをきっかけに合宿免許専門の教習所となるところまででてきました。

 

地方に広がる深刻な少子化問題に臨機応変に対応し、さらに免許取得希望者であれば多くの方が思うであろう「できるだけ早く運転免許が欲しい」「できるだけ安く運転免許を取得したい」といった思惑が一致したまさにすばらしいシステムの誕生の瞬間です。