高速バス・夜行バスの最高出力とトルク

MENU

高速ツアーバスで使われているバス車両のエンジンの最高出力とトルク

高速バス・夜行バスの大きな動力を発生するエンジンは、思いバスのボディと多くの乗客を乗せても、余裕をもって走行することあができます。しかし、大出力は、燃費の消費も多くなります。単に、強力なエンジンを搭載すればいいというものではありません。高速バスや夜行バスで使われるエンジンは、車重や乗客数に応じて最適なパワーをもつエンジンが採用されています。

 

例えば、高速バスに使われているエンジン出力は、大型で300〜450馬力、中型で250〜300馬力もあります。スーパーハイデッカーの代表車種である三菱自動車エアロクイーンU(車両総重量15855kg)に搭載されているV型8気筒ディーゼル・エンジンは、最高出力420馬力/2200rpm、最大トルクも150kg-m/1300rpmとハイパワーです。日野のセレガFD(車両総重量15535kg)では、430馬力/2200rpm、153kg-m/1400rpmもあります。

 

これらのデータを見ると、以外にも低回転で最大のパワーを発生するエンジンであることがわかります。これもディーゼル・エンジンの特徴で、最高回転数が3000rpm以下とガソリン・エンジンの約半分しまありません。しかも実際には、それよりも低い回転数で使われるので、各部の摩耗が少なく、寿命も長くなるというわけです。

 

同時に注目したいのがトルクの特性です。最高出力と同じように、最大トルクも低回転で発生するようになっています。ディーゼル・エンジンは回転数によってトルク特性が変化しないので、低い回転数でも力強いトルクが得られ、高速バス・夜行バスなどの大型車両にふさわしいエンジンということがいえます。

 

しかし、効率のいいディーゼル・エンジンにも問題点はあります。ディーゼル・エンジンの燃焼は大量の空気を必要としますが、空気が多いということは、同時に排気ガスの中に酸素が多く含まれるということになり、排気ガスの浄化が難しくなる。ガソリン・エンジンに使っているような解媒も使えず、窒素酸化物(NOx)の増加も余儀なくされてしまうのです。

 

また、噴出される燃料が多すぎると黒煙(PM/粒子状物質)が排出されることがあり、地球環境に大きな影響を与えます。現在のところ、この窒素酸化物の排ガス浄化、二酸化炭素などの対策がディーゼル・エンジンに求められている最大のテーマですが、環境保護の立場からディーゼル・エンジンの問題点を解消する。さまざまな低公害バスも開発されています。