東京を発着して全国へ向かう高速バス・夜行バス路線
東京発着の路線は、首都東京という都市の規模ほどには高速バス・夜行バスの路線網は発達していません。やはり新幹線の需要が絶大で、新幹線に平行して走る高速バス路線はあまり多くはありません。
しかし、東京〜関西などの主要路線は便数も多く、新幹線に勝るとも劣らない需要があります。その他、新幹線がない常磐自動車道沿線、中央自動車道沿線、東関東自動車道沿線などの都市へは高速バス・夜行バスが頻繁に運行されています。
高速バスが有利な路線としては、東京からのつくば、鹿島。新宿からの富士五湖方面、飯田、駒ケ根、高山行きなどの路線があります。いずれも鉄道では乗り換えが必要なこともあって、今では高速バスがメインルートといった感じです。
また、鉄道との競合路線でありながら、安さで勝負しているのは、福島、いわき、水戸、新潟、長野、静岡、名古屋、甲府などの路線です。一方、夜行バスの路線はたくさんある。北は青森、西は中国、四国地方までをカバーし、さらに長距離路線では九州行きまであります。
福岡行きに関してはスカイマークの参入以降、他の大手航空会社も格安運賃で提供しているため、便によっては、夜行バスよりも飛行機の方が安い場合もあります。このようなことからも、高速バスや夜行バスは一般には鉄道に比べて安価な交通機関ですが、最近では飛行機に比べて必ずしも安価な乗り物とは言えない路線もあります。
また、夜行バスには、飛行機と違って深夜に移動し、目的地には飛行機が運航していない早朝に到着するというメリットがありましたが、福岡行きなどに関しては、飛行機の到着時間よりも遅い場合もあり、夜行バスのメリットがあまりない路線もあります。
東京発着の高速バスで変わった路線では、東京〜安房鴨川線がある。JRでの所要時間は1時間50分で運賃が4,090円。高速バスなら所要時間2時間で運賃は2,000円前後です。興味深いのはJRとバスのルートです。
JRは東京から京葉線、外房線経由で、東京から東に向かいますが、高速バスは西方向の川崎に向かい、アクアライン(東京湾横断道路)を通って内房へ、そこから房総半島を横断して外房に向かいます。
ちなみに東京在住の人はあまり長距離移動で高速バスや夜行バスを利用するという発想は少ないですが、東京と全国都市を結ぶ路線では、利用者の大半が地方在住者です。東京在住の人が高速バスや夜行バスでの移動が嫌いというわけではなく、ただ単にバスでの移動を知るチャンスが少ないことが理由のようです。
では、なぜ地方では高速バスを知るチャンスが多いのか?それは普段利用している地元のバス車内に広告が載っていたり、バスターミナルに広告が掲載されているからです。そして何と言ってもバスの利用機会が東京の人に比べて圧倒的に多いことが一番の理由です。