路線別 高速バスのメリット

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運行している路線・区間別で異なる高速バス・夜行バスのメリット

電車などの鉄道網の整備や車両の発達にくらべて、バスの運行路線はいまひとつ整備が遅れていたというのが国内交通の現状です。世界のバス先進各国から見ても、その傾向は明らかです。

 

しかし地方などの高速道路の整備にともない、高速バス・夜行バスの路線網は確実に充実してきています。公共の交通機関には、飛行機や新幹線、さらに在来線の鉄道からフェリーなど、いろいろありますが、ここでは、交通機関の中における高速バス、中長距離バスの役割についてご紹介します。

 

まずはバスのデメリットともいえる弱点から。バスが他の交通機関に比べて劣る点とは何なのでしょう?それはやはり、所要時間、居住性、そして定時性などが挙げられます。どんなに高速バスや夜行バスのスピードアップをはかっても、飛行機や新幹線には絶対に勝てなません。

 

どんなにバス車内のシートを豪華にしても、やはりそこは高速バス。車内の解放感には限界があります。さらに世界の中でも最高の水準を誇っている日本の鉄道の「定時性」にかなうはずは到底ありません。

 

ではその反対に、高速バスや夜行バスが実際の利用者に訴える最大のメリットとは何か? それはまず第一に料金が安いこと。そして市内の中心地を発着すること。飛行機や新幹線では不便な場所へも直行便で行くことができるといったことではないでしょうか。

 

そして、次に、往復割引やネット割、そのほかお得な割引の値引き率が非常に高いということです。バスを往復利用した場合、他の交通機関の半額以下になる路線も少なくありません。また、同一路線を何往復もするといったケースでは、お得な回数券などを利用すれば大幅割引となります。

 

交通機関という社会資本整備のためのコストという観点から見ても、軍配はやはりバスにあがる。高速バスは、飛行機や鉄道とは比べものにならないほど低コストで運行を開始することができます。

 

線路の敷設などは一切不要で、用意するのは運行するバス車両のみ。新路線の開設も容易で、もし運行してみて採算が合わないとなれば、その路線を撤退することも簡単です。逆に人気の路線となれば、増便も容易で、混雑時はバス車両を増車することで需要に簡単に対応することができます。

 

それでは、日本の高速バス・夜行バスの路線を、その路線の特徴によっていくつかに分けてご紹介します。

 

新幹線と競合する長距離路線

新幹線と競合する区間では、スピードといった面では高速バスにはまったく勝ち日はありまえん。高速バスの一番のセールスポイントは何といっても運賃の安さです。とくに東京〜仙台、福島、新潟、長野、静岡、仙台〜盛岡、名古屋〜京都などは人気の路線で、破格の運賃で新幹線に勝負を挑んでいる。ただし、安さで勝負しているということもあってか、横3席のデラックスバスの運行は少なくなっています。

 

新幹線と競合する短距離路線

走行する区間が短ければ、短いほどバスと新幹線の重要時間差は小さくなります。さらに新幹線の運賃は、短区間といえどもやはり割高に設定されています。新幹線と競合する短区間では、主に同県内の主要都市間を結ぶバスに人気が集まる。運賃は回区間のJRの乗車券に若千上乗せした程度で、快適に移動できます。具体例としては新潟〜長岡、広島〜三原、福山、福岡〜北九州などの路線があります。

 

JR在来線と競合する路線

JR在来線の特急と高速バスでは、重要時間ではいい勝負となる区間です。JRより安い運賃で、高頻度に、場合によっては横3席のデラックスバスを使って運行されています。札幌〜旭川、十昼示〜いわき、名古屋〜金沢、岡山〜高知、松山、福岡〜長崎、熊本、鹿児島などの路線があります。

 

圧倒的に高速バス・夜行バスが有利な路線

ライバルであるJR線が遠回りをしていたり、乗り換える必要がある場合であれば、これはもう、高速バスや夜行バスのほうが安くて速い。あるいは直行できるなど、圧倒的にバスが有利となります。盛岡〜弘前、東京〜富士五湖方面、飯田、名古屋〜飯田、松本〜高山、大阪〜津山、松山〜高知、福岡〜宮崎、大分〜長崎間は、バス圧勝の路線です。

 

JR競合路線があまり機能していない路線

JRの路線とバス路線が並走してはいるものの、JR路線が単線、非電化といった理由で、極端に不便なために、旅客輸送をほとんどバスが独占してるようなケースです。盛岡〜宮古、郡山〜いわき間などでは、高速バスには鉄道はほとんど相手になりません。

 

飛行機や新幹線にはない夜行バス特有のメリット

高速バスVS他の交通機関といっても、夜行バスでは他の交通機関と競合していても、夜行バス特有のメリットを持っています。それはたとえ所一要時間は長くても、眠っているうちに目的地に到着できるというメリットだ。ほとんどの路線が、航空機の最終便以降に出発し、翌朝は航空機の初便より早く目的地に到着するというスケジュールをとっている。

 

鉄道の夜行列車も夜行バスと同じようなダイヤ設定ですが、バスならではのメリットもある。これは定時性が低いという点を逆に利用した運行の仕方ですが、たとえば、最後の休憩場所のサービスエリアで、停車時間を延ばすといった時間調整をして、朝早すぎる到着を避けています。

 

そのため、夜行バスの発着の時刻は、利用に便利な時間帯となっている。夜行バスは限られたスペースながら、前席のシートの下に足を入れられるスペースが設けてあったり、リクライニングをフルに倒しても通路に出入りできるよう肘掛けが倒れたり、シートには個別にヒーターがあったりと設備が充実している点も、人気の秘密です。

 

スリッパや毛布も完備し、夜間は車内を完全消灯し、運転台との間にもカーテンを設けて乗客が安眠できる環境を整えている夜行バスもあります。一方、JRの夜行列車では寝台車でも利用しない限り、とても安眠できる
環境ではありません。鉄道の座席車の乗り心地は夜行バスのシートにはとてもかなわない。さらにバス会社では、夜行バス利用者の待合室などを設置していることも多く、夜行に関しては、バスの方が列車よりもずっと進んでいるといえます。